【小学生がチャレンジ!】子どもたちがリユースでできること

地域のこと

ある日ポスポスに、めずらしい一本の電話が入りました。

「私たちが洋服を学校で集めるので、その服を中東の子どもたちに送ってもらえませんか?」

福岡教育大学附属福岡小学校の女の子からでした。

電話を受けた、ポスポス代表の吉田は、驚きとうれしさがこみ上げましたが、コロナのせいで断らざるを得ませんでした。

せっかくのやる気に満ちたこどもからの勇気ある提案を断ってしまったことに、ずっと胸がもやもや。

すると数日後、また彼女から電話が。

今度は、集めた洋服をポスポスの買取に出して、その売上金を中東に寄付したいというのです。

それならできる!吉田は快諾しました。

自ら全校生徒に対して古着を持ってくるよう呼びかけて回収し、その古着をポスポスで買取。その売上金で、中東に募金を行う。そんな、おそらく全国初の、小学生とリユースショップの共同プロジェクトに、心が躍ったのです。

今回は、このユニークなプロジェクトに協力してくださった、同小学校の斎藤教頭先生にお話をうかがいに行きました。

 

福岡教育大学附属福岡小学校とは
文部科学省の研究開発学校に指定されていて、未来のカリキュラム開発をおこなっている全国でも注目されている学校。子どもの主体性を伸ばす環境づくりにちからを入れている。以前一度、吉田がゲスト講師として、リユースについて講演をさせていただいたころからのご縁。

 

そもそもこのプロジェクトのきっかけは?

齋藤先生:
「学校の授業の一環です。昨年の12月、ご自身の人生をかけて途上国の貧困問題解決にとり組まれた中村哲さんの一周忌にちなんで、ペシャワール会や国境なき医師団の方などをお招きして、さまざまなお話を聴きました。すると、子どもたちが自発的に、『自分たちにもできることをしたい』と言いだしたんです。」

吉田:
「講演を聞いて、自主的に動こうという姿勢が素晴らしいですね。その気持ちに齋藤さんは、どんな機会を提供しようとしたんですか?」

齋藤先生:
「子どもたち一人ひとり、感じたことはさまざま。それぞれがどういった形で社会貢献したいかを考えてから、必要に応じてチーム分けをしてプロジェクトを進めました。このリユースプロジェクトは、その中のひとつです。」

吉田:
「それは実際にどうやってプロジェクトを進めていくかも、子どもたちが主体的に考えたんですか?」

齋藤先生:
「そうですね、方法については、各自で調べてました。やっぱり子どもが自発的にやりたいと言うことのほうが、本気になるので。」

 

具体的な活動内容は?

齋藤先生:
「まず、このリユースプロジェクトをやろうと集まったのが3人。分担をして、ポスターや校内放送で洋服の回収を学校全体に呼びかけていました。その結果、15箱以上もの洋服が集まったんです!」

その洋服は、ポスポス長住店で買取をしました。その結果、彼女たちは7,300円を中東に寄付できました。

緊張しながらも、「私たちの使わなくなったものを世界の子供たちへ役立ててください」と笑って話していていた姿は、今でも店長の心に残っています。

 

このプロジェクトを通して、子どもたちはどう成長しましたか?

齋藤先生:
「子どもたちにとっては、かなりのチャレンジがあったようです。ポスポスさんに電話をかけるのひとつにしても、今の子たちには電話の文化がないから、とても緊張してましたね。」

吉田:
「そうか、僕らが子どものころみたいな、好きな子の家に電話をかけてお父さんが出たらどうしよう、みたいな文化は今もうないんですね(笑)」

齋藤先生:
「そうですね(笑)あとは、予想していたより大人たちが動いてくれないケースもありました。協力をお願いするのに、ポスポスさんの他にもいくつか福岡の企業さんに連絡していたんですが、お返事が頂けなかったところもありましたしね。ただ、うまくいかなかったことも、その経験は必ず今後に役立つということは伝えました。」

 

プロジェクトをやってみた先生の感想や、今後子どもたちに期待することはありますか?

齋藤先生:
「今回このプロジェクトをやってみて、自分たちが何かいいことをやりたいと思ったときに力になってくれる大人がそばにいること、そして平和な日本社会とは違う世界の実態などについて、子どもたちが主体的に学べてよかったなと思いますね。」

吉田:
「僕たちでお役に立てたならば、嬉しいです。」

齋藤先生:
「将来、子どもたちには、自発的に社会を変えられる存在になってほしいと思っています。やはり子どもには、大人に勝る探究心や行動力がありますよね。僕は、いつもそんな子どもたちと一緒に学んでいる感覚です。大人たちは、子どもに自由にやりたいことをさせてあげて、それを上から引っ張るより、下から支えてあげられたらいいんじゃないかと思います。」

吉田:
「なるほど。それなら各家庭でもできそうですね。僕が家でそれができているかはわからないけど(笑)」

齋藤先生:
「妻に『何をえらそうに』って言われたら何も言えないです(笑)」

 

最後に

今回の対談を終えて、吉田はこんなことを話していました。

「小学生が大人を飛び越えて、社会貢献のためにどんどん動こうとする姿は、大人を動かすパワーがあるよね。だからこそ、もっと多くの大人に、このプロジェクトを知ってほしい。」

このプロジェクトを通して、ポスポススタッフは子どもたちからたくさんの希望をもらいました。同時に、こんなパワーにあふれる子どもたちの背中を押し続けられる大人になりたいと、強く思いました。そんな想いの大人が、このブログを通して一人でも増えてくれたら、うれしいです。

 
 

~子どもと社会をつなぎたい先生へ~
ポスポスと一緒に社会貢献プロジェクトをしてみませんか?

毎日既存のカリキュラムにギュウギュウ詰め。なかなか子どもたちに「自ら学ぶ機会」をあげられないと悩む先生も多い今日。ポスポスと一緒に、生徒がアウトプットしたり、社会貢献を身近に感じたりできるプロジェクトをしてみませんか?
私たちに、子どもと社会をつなぐお手伝いをさせてください。

【プロジェクトの基本的な流れ】
①生徒が学校で古着回収
②ポスポスで買取
③生徒同士で話し合い、売上金の募金先を決定

福岡教育大学附属小学校の授業編成の例)

【人間科(道徳)】

2時間:中村哲さんの生き方についての話し合い
【社会科】
1時間: 国際貢献について追究していきたいことについての話し合い
学習問題 世界にある問題や国際社会の現実から,国際貢献のためにできることは何だろうか。
2 国際機関やNGOやNPOの活動資料,国際貢献に携わる人々へのインタビューを基に国際貢献プランをつくる。
(1) 国境なき医師団やJICAの方々からの話を聞く。⑤
(2) 自分たちが考える国際貢献プランについて話し合う。②
※ ここでポスポスさんとの衣料品提供プランがでてきました。
3 国際貢献プランを実践し,その成果とこれからの課題を振り返り,記述する。④

※具体的な内容については、弊社は柔軟に対応させて頂きます。

まずはお気軽にご相談いただいたうえで、一緒に創りあげてみませんか?

ご興味のある方は下記からお問い合わせください。