【連載】もう一度子供服に携わりたい。

     
 

この連載では、”ベビーとおでかけをもっと楽しく”するため、育児中のママの声をまちに届ける活動をするママリボン”が、『ママ目線』でポスポスを徹底取材しています。

 

第6話の今回。実はポスポスに通い始めて、ず~っと気になる存在の方がいました。スタッフの中で、どう見ても最年長。ロマンスグレーって感じの渋いおじさま。ポスポスのかわいらしい雰囲気の中で、一際存在感を放ちまくっているあの方。”そうそう!気になってた!”という方もいるのでは?今回は、気になるあの方にお話を伺いました。

 

気になるあの方とは、山下好信さん。通称”やまちゃん”。まずはやっぱり年齢を聞いてみました。

       

やまちゃん:

「え~っと…60…う~んと、66かな。4月生まれなので、もう少しで67になります。前期高齢者ですね。ふふふ(笑)」

 

おぉなんてチャーミング!穏やかな語り口の中に、茶目っ気みたいなものが見え隠れして、一気にやまちゃんワールドに引き込まれる感じ。実はやまちゃん、ポスポスが今の場所に移転する前からのスタッフ。今いるメンバーの中では、代表の吉田さんの次に長いとか。そもそもどうしてポスポスで働くことになったのでしょう?

 

やまちゃん:

「私がですね、もう30数年、ベビー用品のメーカーで働いていたんですよ。おむつカバーやベビー肌着のメーカーだったんですけど、そこで主に営業を担当していました。母の介護があって55歳で退職して、60幾つの時かな…家内がよく行くショッピングモールで”こども服のお店があるみたいよ”って見つけてきて。ちょっと覗いてみようかって行ってみたら、こども服のリユースショップで。そしたら家内が”お父さん、ぴったりやないの!”って言ったんです。」

 

一度は仕事を離れたものの、ベビー服への思いを絶ち切れないでいた頃。たまたま訪れたポスポスで目に留まったのは”求人募集”の貼り紙。奥さまに背中を押されて胸の奥の思いが再燃した、やまちゃん。早速、レジに立っていた代表の吉田さんにその思いを届けにいったそうです。   やまちゃん:

「”働きたいんですけど”っていきなり近づいて行ったから、びっくりしたと思いますよ。60なんぼのおじさんが来てねぇ(笑)。でも丁寧に話を聞いてくれたんです。ベビー服には30数年の思いがあって、もう一度ベビー服…こども服の世界で働いてみたいんだっていう気持ちを伝えました。それで最初は、2週間だけ様子を見ましょうってことになって。そこからもう、3年経ちます(笑)。」

 

※左側が代表の吉田さん。移転前はスタッフが少なかったのもあって、よく親子に間違われたとか(笑)。

   

初めてやまちゃんが来た時のことを、代表の吉田さんは今でも覚えていると言います。

   

ポスポス代表・吉田照喜さん:

「ある日、僕がレジに立っている時に突然、”採用の件で…”って、やまちゃんが訪ねてきて、最初は求人広告の営業かなと思ったんですよ(笑)。だから、”広告はもう出してるんで大丈夫です”って答えたら、”いやそうじゃなくて、私が働きたいんです”って。もうね、”え~~~っ!”って、びっくりして。ポスポスは”オシャレママのためのユーズドセレクトショップ”っていうコンセプトなので、そのイメージとはかけ離れていますしね(笑)。でもとりあえず、話を聞いてみることにしました。そしたら長年、新生児肌着のメーカーで働かれていてベビー服や業界のことにすごく詳しかったし、こどものこともすごく好きみたいで。話の中でやまちゃんが、“自分の人生の最後に、もう一回こども服に携わりたい”って言ったんです。それを聞いた時に、じ~んときちゃいましてね。”気持ちに応えたい!”と思い働いてもらうようにしました。こういうキャラクターの人がいても面白いかなって。」

 

あの日から、もう3年。長年ベビー服の世界で働いてきた知識と経験を生かして、主に査定(お客さんが持ち込んだ商品の状態を見極め、幾らで買い取るか金額をつけること)を担当してきたやまちゃん。今では、知識だけじゃなくて、お店やスタッフに安心感を与えてくれる”ポスポスにとって無くてはならない大切な存在”となりました。

     

査定では、長年ベビー服のメーカーで働いた知識が、フルに生かせますね。

   

やまちゃん:

「そうですね。ブランド名は変わることもあるんですけど、タグにはメーカー名・会社名が書いてありますので、それで大体分かります。ただね~、やっぱり査定って難しいですよ。お客さまの商品でしょう?それに価値をつけるっていうのがねぇ…。やっぱり今でも慣れません。査定の金額をお伝えする時は、”商品のこの部分がこうだから、この価格です。よろしいですか?”って説明するんですけど、”あの時にもう一言伝えてあげれば良かったな…”とかいう後悔は、もういっぱいあります。できるだけお客さまの気持ちに寄り添った査定ができたら…と思っているんでねぇ。」

 

持ち込んだ商品は、もう使わなくなったもの。そんなに真剣に向き合ってくれているなんて知りませんでした。心を込めて向き合っているからこその、葛藤。頭が下がります。

   

やまちゃん:

「査定金額をお伝えして喜んでいただけると、やっぱりホッとします。“よそにも持っていったけど、こんなに高い値段は初めて。本当にいいんですか?”って喜ばれたりしてね。”友達にも紹介しますね”って言ってもらえると、本当に嬉しいですね。

   

ポスポスは、どんな状態でも”受け取りません”ってことは無いんですか?

 

やまちゃん:

「全く無いです。どんな状態でも。だから例えば、赤ちゃんの肌着でもぜひ持って来てください。」

 

え!肌着もいいんですか!?

 

やまちゃん:

「もちろんです!値段はつかなくても、無料で引き取りますよ。たくさんある場合は重さで幾らっていうこともありますし。お店に来られる時にちょっとずつこまめに持って来ていただければお待たせしませんし、お持ち込みの特典なんかもありますしね。(商品を持ち込むと、その日の購入分が10%オフ)。」

 

なるほど~!持って行く方からすると、”こんなにちょっとじゃ悪い…”と思ってしまうけど、そんなこと全然無いようです。逆に、一度にたくさん持って行った時よりも待ち時間が短く済むし、買い物もお得にできる!いいコト尽くしなんですね。

 

※ベビーベッドを組み立てるやまちゃん。ポスポスではベビーベッドは組み立てた状態で販売されています。もちろん買って帰る時はスタッフの方が分解してくれます。

 

周りは年下のスタッフばかり。でも、”ねぇねぇやまちゃん””あ、ちょっとカオリン””みずティーさ~”…。みんなニックネームで呼び合いながら、見事な連携プレーで息ぴったりの働きぶり。人生の先輩・やまちゃんの目に、ポスポスのスタッフはどんな風にうつっているのでしょう?

 

やまちゃん:

みんな”心がある”っていうのが、やっぱりいい所だなぁと思うんですよね。できる限り、”お客さまに寄り添って”っていう所が。僕が何も知らずに来たとしても”あぁこの店いいなぁ”って感じると思います。ポスポスは、リサイクルショップでは無く”リユースショップ”。もう一度使うってことですよね。だから、チャイルドシートやベビーカーでも、汚れているものは丁寧に洗うんですけど、そりゃもうね、”これまで私が使っていたものかしら?”って言われるくらい、徹底的にキレイにしますよ。オモチャなんかも、細かいところまで掃除します。綿棒を使って、こう、細か~いところまでね。品物のグレードの高さには本当に自信があるんです。それもこれも、スタッフみんなが率先してやるからこそ。だからパッと見ただけでは分からないような小さい隅のホコリも、とれているんだと思うんですよね。」

   

今年ポスポスは、新しく2店舗をオープンする予定。これからのポスポスについて思うことはありますか?

 

やまちゃん:

「今のままで、お客さまにずっと寄り添えていけたらいいなぁと思いますね。店舗も増えますけど、このままの感じで、どこの店舗も長住を見て、同じようにお客さまに寄り添えるお店だったら…。まぁどんな感じでもね、喜んでいただけると思います。」

   

やまちゃんと、今回初めてゆっくりお話できました。ほんわか優しくてお茶目な66歳。人生の大先輩なのに、若いスタッフの良いところをどんどん吸収しようとする姿勢が、かっこいい!お客さんが入って来る度、インタビュー中でも必ず「いらっしゃいませ」と言うやまちゃん。それがまた、一つ一つに心がこもっているものだから、聞いていて嬉しい気持ちになりました。それはまるで、心の通ったおもてなし。こども服のことで質問があれば、気軽にやまちゃんに話しかけてみてください。きっとびっくりするくらい詳しく答えてくれますよ。親父ギャグもセットで(笑)。

 

ライター/山澤裕子(ママリボン

 大学卒業後、福岡の制作会社に勤務。 ディレクターとしてテレビ番組の制作に携わる。 出産を機に退職し現在3歳の息子の育児奮闘中。